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カミメマーケット vol.4
「もっと”紙”の話をしよう」
kin.iro.hitodeさんと
”紙”の話をしてみよう
淡く曇ったような優しくて美しい色使いと、踊るような柔らかなタッチで独自の世界を描く作家、kin.iro.hitodeのMarinaさん。
「洋書みたいなメッセージカード」をはじめて見た時、二つ折りの本のような形はもちろん
手のひらサイズの小さな紙の上に描かれた女の子や不思議なモチーフたちが物語を語りかけてくるようで、
ここではないどこか遠くの世界と出会ったような驚きとかわいさがたまらなくて!
カミメマーケットをはじめて池袋ロフトさんで開催した年に、えいや!と勇気を出して出展のお誘いをしたのでした。
紙へ絵を描き、紙アイテムをつくる作家さん独自の紙への視線をお持ちのはず!と、御徒町にあるMarinaさんのアトリエにお邪魔してきました。
アトリエは様々なクリエイターが入居する台東デザイナーズビレッジの1室。
もともとは学校だった建物の中に、扉を開けるとかわいらしいkin.iro.hitodeさんらしい世界が広がるアトリエが!
作品が飾られていたり壁には原画が貼られていたり、バッグなどの布アイテムも作られているMarinaさんらしく、大きな反物が置かれているのも素敵!
kin.iro.hitodeさんの作品そのもののアトリエにはきゅんきゅんしつつ、早速絵を描くこと、そして紙アイテムづくりのお話を伺いました。
(紙me)
Marinaさんの作品といえば、何と言っても独特の色合いや世界観に魅力を感じてしまいます。
どんな風にその世界を深めて来たのかがすっごく気になります。
(Marinaさん)
大学時代、そしてドイツへ留学してからも油絵やテンペラやフレスコ、木彫りや陶芸など様々な方法で作品を作ってきました。
今のkin.iro.hitodeさんの作品を見ると水彩画のイメージが強いですね。
水彩はそれより以前からもともと使っていた技法なんです。
構想を練ったりするときにも水彩で描いてきました。
宗教画や異国情緒のある作品が好きでイタリアの壁画や画集をたくさん見ていたので、
そういうところから影響を受けていましたね。
水彩だけでなくそんなにたくさんの方法で作品作りをされていはとは!
それらのどんなところに惹かれたのでしょうか?
そうですね…今でも変わらないところでもあるのですが、
祈りを感じるような、ちょっと神秘的な、遠い魂の記憶のような…
懐かしいような感じがするけれど、知らない見たことのない世界を描きたいと思っていました。
祈りを感じるような、「魂の記憶」ということばがすごくしっくり来ました!
Marinaさんの作品にはオペラだったり舞台のような、音楽も感じられる気がしていて。
音楽に合わせて踊っているような、祝祭だったり祈りをささげる儀式のような荘厳さがあるのも
そうしたMarinaさんの内なる意識とか世界からうみだされていたんですね…!
Twitterでは過去の作品を紹介されていたこともありましたよね。
今の作品とは少し雰囲気が違うんだけど、
向かい合っている人物のイメージだったり裾の長いドレスを着ていたり、今にもつながる雰囲気が見えますね。
ドイツに行って、どっしりとした重みや暗さのある色の絵を描くようにもなりました。
当時の作品を見ると今はあまり使わない色もありますね。
作品を描かれていく中で、今のような紙アイテムを作ろうと思ったのはなぜですか?
絵や作品を自分の家の中や日常に取り入れるって、少しだけハードルが高い事だと思うんです。
美術館だったり外で鑑賞するイメージが強いというか…
確かに…ちょっと日常からは離れた特別なこと、とイメージしてしまうかも…。
でも、日本に帰って来てからテキスタイルデザインを自分でされている作家さんもいるということを知って。
わたしも日々使えるようなアイテムを作りたい!って思ったんです。
誰でも気に入れば暮らしに取り入れられるものにしたくて、暮らしの中でずっと持っていてもらえるものにしたかったんです。
色々調べていくうちに、紙アイテムだったら自分ですぐにでもはじめられるのでは…!と思ったのがきっかけです。
確かにハードルは低いかも!比較的小ロットから作れるものも多いですよね。
でも、こんなに素敵なアイテムを作るには、やっぱりこだわりやコツが必要だと思うんです。
紙アイテムを作ろうと思った時に、意識したことはありますか?どんな事を感じてもらいたいとか…
毎日眺めても使ってもいい軽やかな世界観がいいな、とも思ったので、ずっと描き続けていた水彩作品を主軸にしようと思いました。
確かに、軽やかなタッチや色使いがすごく印象的ですよね。
ちょっとスモーキーな、いろんな色がまざったような絶妙さがあってでもとびきりかわいくてときめく色使い、大好きです!
かわいさの中に不思議さがあるような、どんな作品なんだろう?と考えこませちゃう前に
かわいい!と受け入れてもらえるようなものにしたかったんです。
難しく考える前に、色味に癒されたり、モチーフが好き、とかから入ってもらって、よくよく見てみると不思議だな、と思ってもらえるような…
「きんいろひとで」というブランド名もそんな気持ちを込めていて、
パッと見るとかわいいお星さまだけど、よく見てみるとひとでだからいびつでちょっと不思議…
なるほど!!!!!!(今日いちの大きい声)
…
紙はずっと身近にあったものだと思うんですが、特に古い記憶ってなんですか?
小学校の時には折り紙を集めていました。
金とか銀とかオーロラとか…いろんな柄だったり両面だったり。
ちょっとずつ友達と交換して楽しんだりしていました。
今作っているアイテムたちもあの時の気持ちに近いなと思います。
かわいい紙を持っていたいという気持ち。
わ、わかる~…!!!!とっておきのお気に入りを大切にしたり、友達からもらったものが思い出込みで宝物になるあの感じ、最高ですよね。
あとは、これも小学校の時からなんですが切手も好きでコレクションしていました。
海外の絵柄がかわいいものだったり、祖父が海外旅行のお土産にくれたり。
それもあって、去年はクリスマスシーズンに通販限定のノベルティで切手を作ったんですよ。
今はもう手に入らないのが悔しすぎる…ぜひいつか再販してください…!絶対欲しい…!
もうすでにたくさんのアイテムを作ってらっしゃいますが、今後これは作ってみたい!という紙アイテムはありますか?
たくさんありますね~!
はんこも作ってみたいし、一度作ったことはあるんですが、改めてZineや画集にも挑戦してみたいです。
ノートも作りたいし豆本も作りたい…小さいもの、かわいいなぁと…
あとはシールのリクエストがとても多かったので作りました!
作ってくれる工場や会社さんを探すところからなので、そこは少し大変ですね。
でも、一番作ってみたかったのは貼り箱だったんですよ。
紙meさんに手伝っていただいた。
えええ!!!
最初にブランドを立ち上げた時、まず最初に作りたいと思ったのが貼り箱だったんです。
だから、箱を作れる大きなサイズのラッピングペーパーを作って、
紙は紙で販売しつつ、その一部を箱にしようと思ったんですがすっごい大変で…!
5個しか作れなかったんです…
箱づくり…寸法だったりきれいに貼るの絶対すごく大変ですよね…独学で5個作れたのがすごいですよ…!
紙meはMarinaさんと箱の工場とを繋ぐのと、紙のお手配のお手伝いをさせていただいただけなんですが、
工場に行くと箱作り専用のおもしろい機械と工夫がたくさんあって、すごいなと。
あとおじさんがすごくいい人というか、ナイスキャラなんですよね。笑
いいおじさんに作ってもらえていますよね。笑
外側はkin.iro.hitodeの柄で、開けると中に貼っているタントの色もかわいくて!
(タント…特種東海製紙さんが作られているファンシーペーパー。
全200色のラインナップ!紙名の由来はイタリア語でたくさんを意味するTantoから)
ずっと手元にとって置きたくなる箱を作ることができたなって。
自分でやってみようとして5個しか作れなかったこともあったので、やっとできた!という気持ちでした。
内側の貼り紙、紙の種類は毎回タントを使われてますが、これがもう、本当に毎回どの色をチョイスされるのかすっごく楽しみです!
毎回絵柄に合わせて違う色を選んでくれるのも、個人的にすごくうれしいです。
微妙なニュアンスだったり、ぴったりと来る色がタントにはあるので選ぶのもとても楽しいです。
またぜひ作らせてくださいね!
…
他にも、アドベントカレンダーはドイツでもすごくかわいいと思っていたので作ってみたいです。
毎日たのしくできるものって素敵ですよね。
日めくりカレンダーも作ってみたい!
紙アイテムってどれも手元にあってテンションがあがるというか、毎日使って毎日癒されたりしあわせになれるものばかりですね。
紙のそんな存在感がすごく好きです。
最近ずっとチャレンジしてみたかったトレーシングペーパーのアイテムも作ったんです。
クリームソーダが描かれているのにふふ、と思ってました!好き~!!
kin.iro.hitodeさんとトレぺ、最高の相性じゃないか…!と天を仰ぎましたね…
カミメマーケットにもご用意してくれましたよね。うれしい!
そしてあっという間に完売してしまい泣きました…ほしかった…でもお客さんに手に取ってもらえてよかった…!涙
そして、次から次へといっぱい作りたいものが出てくるのすごく素敵です。
いちファンとしてものすごくうれしいし全部ほしい。
もうひとつ聞かせてください。絵を描くときはどんな紙を使っているんですか?
絵を描くときは水彩紙を必ず使っています。
愛用しているのはマルマンのヴィフアール水彩紙 中目。
ちょっと柔らかいクリーム色で、柔らかな表情や風合いで気に入っています。
水彩で描いても、しわになったりたわんだりべこべこになりくにくいんですよ。
愛用は日本の紙だったんですね!
ドイツにいた時は自分に合う紙がなかなか見つけられなくて。
ワトソン紙だったり海外の紙も使うんですが、色々使ってみて改めて日本の紙ってすごいんだなって思いました。
種類の多さもすごいですよね。
大学生の時から使っているミューズのクロッキーブックも推しです。いつもB5サイズを使っています。
くすんだ緑の表紙もなんだかMarinaさんらしい!
最後の質問です。最近見つけたいい紙もの、ときめいた紙ものはありますか?
トーベ・ヤンソンの絵本と、蔵前の古本屋さんで見つけた本がお気に入りです。
トーベ・ヤンソンは憧れの作家のひとりです。元々は画家だったのですが、友人に勧められて「ムーミン」の小説を
書き始め、そこから絵・小説・コミック・演劇のデザインなど様々な媒体で世界観を表現されて活躍して
いかれたんですよね。
そういう風に、一つのジャンルに留まらず、色々な表現方法で物語や世界を発表していきたいです。
トーベ・ヤンソンは憧れの作家のひとりです。
元々画家だったんですが、友人に勧められて「ムーミン」の小説を書き始め、
そこから絵・小説・コミック・演劇のデザインなど様々な媒体で世界観を表現されて活動していかれたんですね。
そういう風に、ひとつのジャンルに留まらず、色々な表現方法で物語や世界を発表していきたいです。
わ!すごい!なんてかわいい本を!
Marinaさんの本棚にすごくぴったりの2冊だ!
もう一冊も楽譜なのに挿絵がフルカラーで印刷されていて豪華でわくわくしちゃう・・・!
どちらもちょっと不思議な絵が多くて、これもまたMarinaさんの作品にも通じている気がしますね。
…
1時間以上たっぷりと紙とMarinaさんの作品についてじっくりお話させていただけてとても楽しかったです!
紙の話がぐんぐんできるのがとても楽しくて、Marinaさんの作品への愛がより深まる時間でした。
楽しい時間をありがとうございました!
開催中のカミメマーケット vol.4にもkin.iro.hitodeさんの作品をたくさん並べさせていただいていますので、
ぜひぜひ足を運んでみて、そしてぜひ紙の話をしてみてくださいね◎
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